うつ病 離婚

産後うつからお母さんを守る為に知っておきたい予防法

新しく家族の一員となったわが子を抱き、幸せ一杯のお母さんに忍び寄る産後うつという病気をご存知でしょうか?産後うつとは、一般的に、出産の3~4週間後から発症し、その後早くて3ヵ月、長くて1年程度の間にかけて、産後の女性がかかりやすいとされているうつ病です。約10人に4人はかかると言われているこの産後うつ病の原因は未だ特定はされていませんが、産後の女性に起こる肉体な変化と環境の変化の2つが要因となり、発症すると考えられています。肉体的な変化とは、妊娠を維持する為に、妊娠中多量に分泌されていたエストロゲンやプロゲステンといった女性ホルモンが出産を機に一気に減少する為、女性の体はこの急激なホルモン変化に適応出来ずに、気分障害が起こります。もう1つは、昼夜問わず泣く赤ちゃんの世話を一日中するという慣れない環境の中で、女性が精神的、且つ肉体的に疲労していくことが原因です。

産後うつの代表的な症状としては、憂鬱な気分や、苛立ち、起き上がることすら辛い程の疲労感の他に、不眠や食欲不振が挙げられます。この状態が続き、症状が悪化していくと、感情のセーブが出来ずに些細なことで泣き喚いたり、わが子の泣き声にすら激昂して虐待してしまったり、更にはそんな自分への罪悪感や自信喪失の果てに自殺や無理心中を図ってしまうといった最悪のケースも起こりえます。 産後うつは、抵抗もままならない乳児と四六時中一緒にいるお母さんがかかるだけに、事態の悪化するスピードは速く、被害が深刻化するリスクも高い為、その分周囲はお母さんの精神や肉体の健康状態に十分な注意を払い、サポートをしていく必要があるのです。

産後うつの予防や改善に家族、特に夫の果たす役割はとても大きいです。では、奥様が赤ちゃんの世話に奔走し、精神、肉体共に疲れ果てている時、ご主人は何をすれば良いのでしょうか?ある日お家にやって来た天使に、家族の誰もが心を奪われ、一身に注目を受ける的になっているそんな時だからこそ、お父さんは赤ちゃんへと同じくらいの気遣いをお母さんにも向けて下さい。毎日赤ちゃんの世話で、外に出ることもままならない環境に、疲労感のみならず、閉塞感や孤立感を抱くお母さんにとって、お父さんは外界との重要なパイプ役です。お母さんの話にきちんと耳を傾け、少しでもストレスを吐き出せる様にしてあげて下さい。但し、話を聞く際は、「頑張って」や「赤ちゃんの為に」などの励ましの言葉は厳禁です。お母さんはもう十分赤ちゃんの為に頑張っているのですから、「いつもありがとう」や、「そんなに頑張り過ぎないで」といった言葉を使って、お母さんの頑張りに感謝し、労をねぎらってあげましょう。また、育児や家事に協力的なことは非常に良いことですが、はりきり過ぎて、お母さんのペースを乱したり、自信を無くさせてしまう様では、却ってストレスは強まりますので、お母さんの気持ちに寄り添いながら、上手に手伝いが出来る様心がけて下さい。

また、男性の育児休暇取得も進む昨今、意外なことに、新米のパパが慣れない育児に頑張りすぎて、産後うつにかかってしまうという事例も増えています。家族の誰かが無理をし過ぎて、心を壊すことの無い様注意出来るのは同じ家族をおいて他にありません。毎日の生活の中で少し笑顔が減ったや、時々辛そうにしているなど、些細な変化でも見つけたら、それは危険信号かもしれません。見過ごしてしまわずに、まず声をかけ合うことで、大切な家族をうつ病から守りましょう。

一人暮らしで孤独を感じているあなたは鬱病に要注意!

1人暮らしと聞けば、自由、気楽、自分だけの城・・とまず楽しいイメージが浮かびますが、そこには楽しいだけではなく、孤独と隣り合わせという現実があることも、1人暮らしをしたことがある人ならば誰でも知っていると思います。フィンランドで行われた実験によると、1人暮らしの人の方がそうでない人よりも鬱病になるリスクが80%高いという結果が出ています。無論個人差はありますが、本来人間は集団に生きる社会的な動物ですので、1人の時間が長いと、否応無く孤独感を抱き、不安や焦りなどのネガティブな感情は増幅されます。また、1人暮らしでよく陥りがちな他人との会話の減少や、昼夜逆転した不規則な生活、栄養の偏った食事なども、脳内のホルモン分泌を低下させ、鬱病にかかる要因となります。

では、1人暮らしでも鬱病にならない様にするには、どういったことが効果的でしょうか?それはずばり、安定した関係を築ける恋人を持つことこそが最大の予防策になるのではないかと思います。1人で過ごす時間が全く苦にならない人、常に連絡を取り合い、頻繁に会う友達が大勢いる人、人によって状況は様々ですが、それでもやはり、大半の人にとって、最も心を安心させ、満たしてくれる存在は恋人なのではないでしょうか?恋人というのは後に夫婦になって、家庭を築いていくパートナーとなります。それは、社会的に認められた形で、一生一緒にいてくれる人がいる、つまり、この先自分1人で孤独に生きていくことはないという保証を得たことにもなります。だから、恋人の存在はこれ程までに人に深い安心感を与えてくれるのですね。なかなか恋人が作れないという人も、休日に家に引きこもってしまうことはせず、多少の努力をしてでも、1日に一度は外に出て人と話をする機会を持つ様にしてみて下さい。出来れば、何か興味のあるサークルや習い事など始めてみるとなお良いですね。本来1人暮らしは、ある程度の年齢になれば、自立心や自活力を得ていく上で非常に有益なことです。最近の若者は草食系などと呼ばれ、恋愛に対して消極的とされていますが、寂しさから必要に迫られてだとしても、恋愛に積極的になれるのであれば、それも1人暮らしのもたらす副次的効果と言えるのではないでしょうか?

1人暮らしで強い孤独を感じる人は、それを自分の弱さや社会性の無さのせいだと考え、自分を責めたり、恥ずかしがったりして、誰にもその悩みを打ち明けられず、内に抱え込んでしまいがちです。しかしながら、1人の生活に孤独を感じるというのは、ごく普通の感情です。それゆえ、まずはその感情を認めた上で、前述の様な努力が出来れば、本当の意味での心の成長や自立に繋がるのではないかと思います。それでも、どうしても辛い時にはその思いを家族や友人にありのままに吐き出し、一緒にいてもらうなど、助けを求める勇気を持ちましょう。また、もしも1人暮らしで鬱病になってしまったという場合には、出来る限り実家に戻るなどして、誰かと暮らす様にして下さい。鬱病の治療には誰かが傍にいてくれるという安心感が大きな助けとなります。鬱病を患ったままの1人暮らしは病状を更に悪化させる危険性があり、重篤化すると、日常生活を送る事すらままならなくなります。とにかく、自分の感情に無理をするということが、鬱病という病気にとっては非常に危険なのです。

鬱病は適切な治療で治せる病気です!

現代日本において、鬱病は15人に1人がかかっている病気であり、しかもその患者数は年々増加傾向にあると言われています。この様に近年身近になっているうつ病ですが、その一方で、やはり鬱病を始めとする精神的な病気は、先天的に精神に深刻な問題を抱える人達がかかるものであり、また一度かかると一生完治する事はないと思われて、タブー視される風潮が今も根強く残っているのではないでしょうか?しかしながら、鬱病は心の風邪とも呼ばれる程誰でもかかる可能性がある病気であり、且つ適切な治療によって完治することも出来るのです。

鬱病は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンや、ノルアドレナリンというホルモンの量や働きが不足することで起こると考えられています。セロトニンは生体のリズムを整え、精神を安定させる働きを持ち、ノルアドレナリンは緊張や不安を起こし、神経を興奮させる働きを持つ為、これらの物質が不足すると、憂鬱や倦怠感を強く感じる様になります。また、この病気は、精神的、肉体的に強いストレスを感じる様な環境が主たる発症原因とされていますが、その他にも遺伝的な要因や、鬱病以外の病気を持っている場合には、その病気が脳機能の低下や自律神経の乱れをもたらし、鬱病を発症させることもあるのです。

鬱病の治療は、その病状や原因によっても異なりますが、原則として、休養、周囲からの理解、薬物治療 の3つが基本の柱となります。まずは、心理的、肉体的なストレスを取り除いて、心と体をしっかり休ませてあげることが何より大切です。特に、鬱病は真面目で責任感の強い人がかかりやすいとされていますので、休養を取ることに罪悪感を持たない様に、休養は病気の治療であるという認識を持つことが重要です。その他にも、太陽光はセロトニンを増やす作用がありますので、休養の一環として、無理のない範囲で日光浴を行ったり、血行を良くする為の軽い運動や、セロトニンの生成を促すトリプトファンという成分を多く含む乳製品や豆類、魚を豊富に摂取し、バランスの良い食生活を送れば、より効果的です。

次に、周囲の人から鬱病の理解を得られる事は治療の大きな助けとなります。鬱病の人には周囲からの叱咤や励ましは禁物という特徴があります。その点を理解した上で、ただ黙って話を聞き、いつも寄り添ってくれる人がいてくれれば、深い安心感に繋がり、心の回復に役立ってくれるでしょう。

最後に、鬱病の医学的治療としては、カウンセリングの他に、薬物療法が有効と考えられています。精神的な病気に薬が効くとは何だか不思議な気もしますが、鬱病とは前述の通り、脳内でセロトニンとノルアドレナリンが不足して起きる病気ですので、薬(抗うつ剤)はそれらの物質の増加を助ける働きをします。また、従来の抗うつ剤は口渇や、便秘、眠気などの副作用も強かったのですが、最近では比較的副作用が少ない薬が出ています。鬱病は症状が良くなったと思って薬の服用を止めると、ぶり返しが大きく出たり、再発率の高い病気でもありますので、薬の量や服用期間は必ず医師の指示に従う様にして下さい。

この様に休養と薬物療法を取り入れた適切な治療を行えば、鬱病は完治、又は大幅に改善することが出来る病気です。心の不調で病院に行くことは、体の不調で行くよりずっとハードルが高いと感じる人はまだまだ多いとは思いますが、どの病気でもそうである様に、鬱病においても、早期発見、早期治療が非常に重要で、早期に治療が行えれば行える程、その効果は大きく早く出ます。また、鬱病によって体の不調が引き起こされているというケースもありますので、もしも心や体の調子がいつもと違うという状態が暫く続く様でしたら、怖がらずに病院に行く事を強くお勧めします。

朝が特につらい意気阻喪人の為の朝起き克服法

朝は体がだるく、何のやる気も起きないという意気阻喪状態になる人と聞くと、まず思い浮かぶのは低血圧の人だと思いますが、うつ病の人にとっても朝は非常に辛い時間帯であるということをご存知でしょうか?うつ病の人の多くは日内変動という傾向を持っており、これは一日のうちで、朝が最も肉体的、精神的にしんどく感じる時間帯で、その後昼から夜にかけて徐々に体や気持ちが回復していくというものです。朝起きるのが辛いと感じることは、誰でも経験のあることですし、それゆえ周囲や本人でさえもこの状態を単なる甘えや怠惰のせいと処理してしまいがちですが、前夜早めに就寝するなどの対策をしてもどうにもその辛さが続く様でしたら、一度うつ病の可能性も調べてみることをお勧めします。

うつ病の日内変動では、朝がちょっと憂鬱に感じるといった軽度のものから、起き上がることはおろか指を一本動かすことにすら困難を感じる、または死を意識する程絶望的な気持ちに打ちひしがれるといった非常に深刻なものにまで至ります。軽度であれば、何とか気持ちを奮い立たせて乗り切ることも可能ですが、重度になりますと、仕事や学校に行くという日常生活さえも送れなくなってしまいます。

この日内変動によって試練と化した朝を乗り切るには、次の3つのことを行うことが効果的です。1つ目は、朝目覚めた時、色々な悩みや心配事を思い出し、頭の中が憂鬱のタネに占拠されてしまうことが日内変動の起きる原因のひとつと考えられています。その為、まずは、兎にも角にも何も考えないことです。朝行うべき作業、例えば、顔を洗う、歯を磨く、服を着替える等の作業をルーチン化させて、今自分が行っている作業にだけ集中し、次に自分が行うべき作業のことだけを頭に思い浮かべるのです。そうやって、頭に憂鬱な考えが入り込む隙を与えずに単純作業に没頭して朝の辛い時間帯を乗り切ることが出来れば、後は少しずつ楽になっていきます。次に、薬の服用も効果的です。うつ病の人が朝が辛いもう一つの原因は、不眠による体調不良ですので、睡眠導入剤を使用して、十分な睡眠を取る様にすれば、朝の気分も幾分か改善されていくはずです。最後に、なるべく朝食は取るようにして下さい。朝食は、脳と体を動かすエネルギーを作り出す為の1日のうちで最も重要な食事と言っても過言ではありません。神経伝達物質のセロトニンが脳内で不足することがうつ病の原因の一つですので、朝食では、脳内物質セロトニンの生成を促すトリプトファンを豊富に含む大豆や、乳製品、卵、魚を意識的に摂取して下さい。気分の優れない朝に食事をすることはかなり骨が折れることだとは思いますが、朝食も朝のルーチン作業の一つとして組み込んで、それでもどうしても辛い場合には豆乳や牛乳などの飲料からでも良いので栄養を摂る様にしてみて下さい。

朝が辛いというのはうつ病の症状の一つですので、その辛さを我慢だけで蓋をしてしまうと、取り返しのつかないところまで悪化してしまう危険性もあります。といって、辛いから何もせず、ただ寝ているのでは、快方に向かうのは難しいですし、病気のせいで人生の大切な時間を犠牲にしてしまうことにもなりかねません。うつ病による朝の辛さを認めた上で、薬や、周囲の協力を借りながら、無理せず対処していくことが、うつ病の治療には最善の道なのです。

なぜ女性はうつになりやすい?うつ病患者の男女比1:2の謎

日本のうつ病罹患率は、男性が10人に1人に対し、女性は5人に1人となっており、女性は男性の2倍うつ病にかかる人が多いことが分かっています。では、なぜ女性は男性よりうつ病にかかりやすいのでしょうか?まず女性の体は、年齢と共に月経が始まり、妊娠、出産を経て、閉経に到るまで、子供を産む為に訪れる変化が多く、ホルモンバランスが乱れやすいことが本質的な要因として挙げられます。そのため、産後うつや更年期うつ、不妊うつなど女性特有のうつ病が存在するくらいです。

次に、女性を取り巻く環境要因が考えられます。働く女性に焦点を当ててみると、女性の社会進出が進む昨今ですが、企業における女性社員の役員比率が未だ極めて低くいことからも、現代日本はまだまだ女性にとって働き続けることが困難な社会であるという実情は認めざるをえません。勿論一概に断定することは出来ませんが、女性ということで、なかなか男性と同等に仕事の機会が与えられない、例え与えられても、ある年齢になれば、結婚や出産の為に第一線からは退かざるをえない、生涯男性と同等に働く事を選べば、周囲からの多大なサポートが必要となる、もしくは結婚や出産といった女性としてのライフイベントは諦めざるをえない・・といった様な労働環境に根付く問題に、多くの働く女性は直面しています。また、共働きの家庭でも、依然として家事や育児の中心的担い手は女性という慣習が残っているところが多い為、結果として、働く女性は男性の2倍の労働量をこなさなければならず、疲弊していきます。更に、一般的に女性は男性に比べて真面目なので、仕事をしながらも、妻役、母親役はしっかりこなさなければならないという義務感を背負い込み、強いストレスを感じてしまうことがあります。では、専業主婦の人にはストレスフリーな生活が約束されているのかといえば、そうとも限りません。専業主婦の人には、社会との隔絶や、経済的自立が出来ていないことに対する不安、自分の存在価値への自信喪失などを感じている人が少なくなく、やはりそこにも深刻なストレスをはらむ問題があるのです。

それでは、男性が職場や家庭でストレスを感じていないのかというと、勿論そんなことはありえません。然しながら、男性の場合は、仕事に没頭したり、お酒を飲んだりすることで、ストレスを紛らわせている人が多いと考えられます。また、男は男らしく、強くなければならないという教育を受けている人がまだまだ多いので、ストレスを感じてもストレスとは認識せず、無意識に自分の中に閉じ込めてしまう傾向がある様に思います。その結果、男性は完全に壊れてしまうまでストレスを内に抱え込み、自殺という最悪の選択をしてしまう人が多いのです。男性の自殺者数が女性より遥かに多いことを考えると、女性は男性よりうつ病にかかりやすくとも、うつ病に対して男性よりも強いという側面があることも見えてきますね。

女性のうつ病は、パートナーからの仕事への理解や、家事や育児への積極参加がある人ほど、発症率が少ないことが分かっています。これは男性においても同じことが言えるのではないでしょうか。家庭の中で、パートナーに優しい声をかけて、支え合える存在でいることこそが、うつ病にならない為の最大の予防策なのだと思います。

漢方はうつ病に効くのか?漢方のうつ病への効能について

漢方と聞くと、中国の伝統医学というイメージを持っている人が多いかと思いますが、実は漢方は、5-6世紀から近世にかけて中国より伝来した医学をベースに、日本独自で発展を遂げた日本固有の医学なのです。漢方では、病気の原因を臓器などの局所的な部分に求める西洋医学とは異なり、常に体を一体のものとして捉え、体全体のバランスの乱れが病気の現れと考えます。その為、漢方では体のバランスを整え、その人に本来備わっている自然治癒力を取り戻すことを目的として治療が行われます。また、漢方で使用されている漢方薬は、自然界に存在する薬効を持った植物や鉱石から作られたものを複数組み合わせて処方された薬であり、既に何千年にも渡って人間が服用してきていますので、人体にとって有害でないことが証明されています。それゆえ、体に優しい、その代わり西洋医学の薬に比べて即効性は少ない・・などといったイメージもある漢方薬ですが、現在では多くの病院が西洋医学の薬と併用して、治療に取り入れています。では、そんな漢方薬は、うつ病という精神疾患に対してはどの様に使用していくことが最も効果的なのでしょうか?

漢方において、うつ病は、強いストレスが原因で、体を巡っている生命活動の原動力である気がスムーズに流れていない、又は消耗して不足してしまっている“気けつ”や“気虚”などの状態と考えられています。その為、滞っている気の流れをスムーズにする、又は不足した気を補う為の漢方薬が、各人の体質に合わせて調合、処方されます。何となく、気などという言葉を使うと、呪いや占いの様に非科学的なものと思われがちですが、漢方は中国で誕生してから何千年の時をかけて蓄積された膨大な治療経験に裏打ちされた経験医学であり、漢方薬がうつ病の治療に有効であることも数々の臨床データにより実証されています。

但し、現代の医学では、あくまでもうつ病の第一選択薬は抗うつ薬です。漢方は、軽度のうつ症状の人や、抗うつ薬の補助的な役割、又はのどの渇きや吐き気などの抗うつ薬の副作用を緩和する薬として用いられることが主です。その為、漢方薬を飲んでいるからといって、自分の判断のみで抗うつ薬の服用を止めてしまう様なことは、病状を急激に悪化させる可能性もあり、非常に危険です。うつ病の薬を漢方薬に変えたい、減らしたいという時は必ず医師に相談する様にして下さい。

その肩こりはうつ病の兆候かも!?うつ病と肩こりの意外な関係

私達にとって非常に身近な存在の肩こりですが、実は怖い病気の症状としても出ることがある事をご存知でしょうか?肩こりを伴う病気としては、変形性頚椎症や椎間板ヘルニアといった背骨が変性して起きるものから、日本人の死因の上位を占める狭心症や心筋梗塞といった心疾患、肝臓障害といった一見あまり肩こりとは関連性が無い様に思えるものまであります。肩こりなんてただの体質の問題や疲労の現れと考え、放置しておくと、危険な状態にまで発展しかねませんので、ある期間継続して肩こりが続く様であれば、一度病院で検査してもらう様にして下さい。また、肩こりは、精神的な病気であるうつ病から起因して発生することもあります。もしも、原因不明の頑固な肩こりでお悩みの方は、うつ病の可能性も視野に入れて、心療内科などにも行ってみる事をお勧め致します。

では、なぜうつ病になると、肩こりが起きるのでしょうか?人間の体に張り巡らされた末梢神経には、自分の意思でコントロールすることが出来る体性神経と、コントロール出来ない自律神経の2種類があります。このうち、体の各機能のバランスを調整する役目を負っているのが自律神経で、自律神経は交感神経と副交感神経の2つの相反する神経から成り立っています。交感神経は、体を活発に動かし、興奮状態の時に強く働く神経で、心拍数の上昇や血管の収縮、瞳孔の拡張などの反応を作り出します。逆に体をリラックスさせて休ませる時に強く働くのが副交感神経で、これは内臓の消化機能を活発化させたり、心臓の動きを抑制させたりします。うつ病の要因となる強いストレスや緊張は、自律神経のうちの交感神経を優位的に働かせるので、その結果血管や筋肉が収縮し、血液の循環が悪くなります。血液循環が悪くなると、筋肉に老廃物が溜まりやすくなったり、十分な酸素が筋肉に行き渡らなくなったりして、肩こりが引き起こされるのです。

肩こりの解消には、一般的に知られている通り、ストレッチやマッサージが有効ですが、その他にも、レバーや青魚、大豆などに豊富に含まれる老廃物の排出を促すビタミンB群や、ホウレン草や、アーモンド、ナッツ、さばなどに含まれる血管を拡張して、血流を良くする効果のあるビタミンEを多く摂取することも効果的です。一方で、うつ病によって起きている肩こりは、当然のことながらうつ病そのものも治療しなければ完治することはありません。肩こりが長期に渡り起こっていると、その痛みは脳にストレスを与え、自律神経に影響を及ぼします。自律神経の乱れは、うつ病や肩こりの更なる悪化を引き起こすという悪循環になる危険性もありますので、たかが肩こりと放っておくのではなく、うつ病と肩こりの両面から治療していくことが望ましいのです。

老年期はリスク増加!痴呆症と間違えられやすい高齢者の鬱病予防法

老齢期の精神疾患としては痴呆症が有名ですが、それに次いで多いのが鬱病であるということはあまり知られていない様に思います。65歳以上の高齢者の全体の約15%が鬱状態にあることが分かっており、そのうち8%は実際に鬱病として診断されています。高齢者と聞くと、既に仕事も引退し、悠々自適な隠居生活を送っており、ストレスとはあまり縁が無いというイメージですが、そんな高齢者が鬱病にかかる原因は一体何なのでしょうか?それは、老化による脳機能の低下という肉体的要因の他に、年を取るにつれやって来る家族や友人との別離や、健康への不安、仕事をはじめとした生きがいの喪失などの心理的要因が大きく影響していると考えられています。

高齢者鬱病の特徴としては、気持ちの落ち込みや意欲の減退といった典型的な鬱病の症状よりは、実際には特に悪いところは無いにも関わらず自分は何かの病気に冒されているのではないかと思い込み、体の不調を訴える心気的症状が多く見られることが挙げられます。その他にも、記憶力や集中力の低下がある為、鬱病ではなく、痴呆症と間違われることがしばしば起きています。実際に痴呆症で病院に来院されるお年寄りの5人に1人は、痴呆症ではなく、鬱病であるというデータも出ています。その一方で、軽度の鬱病は痴呆症を併発しているケースもありますし、心疾患や脳梗塞といった身体的病気が脳機能を低下させたり、自律神経の乱れをもたらして、鬱病を発症させていることもあります。その為、高齢者で鬱病又は痴呆症の疑いを持った際は、その他の病気の可能性も探る様にする必要があるのです。

高齢者になると、どうしても鬱病の原因となる喪失感を味わう様なライフイベントが増える一方で、社会との関わりは減り、肉体的にも精神的にも衰えが出てきます。だからと言って、高齢者の鬱病は治らないというわけでも、治さなくてもよいというわけでもありません。高齢者の自殺原因の約8割が鬱病というデータが出るほど、高齢者にとって鬱は非常に危険な病気です。高齢になると、養っていかなければいけない家族や責任を負う仕事も無くなる為、鬱病から自殺への道は他の若い世代の人達よりも短いのかもしれません。では、高齢者の鬱病治療にはどの様なことが効果的なのでしょうか?それは、薬を使っての医学的治療の他に、社会との関わりを増やし、人とのコミュニケーションを活発化させることが非常に有効です。これは、家族と同居されているお年寄りに比べて、老人ホームや一人住まいのお年寄りの方が鬱病発症率が遥かに高いことからも見て取れます。その他にも、出来るだけ外に出て、散歩などで体を動かし、日の光に当たる様にすることも治療には有効です。

ご家族や知り合いの中であまり人づきあいもなく、家に1人で過ごすことの多い高齢者の方がいる場合は、出来るだけ気にかける様にしてあげて下さい。どこか様子が変だなと思うことがあったり、体調不良を訴え病院に行っても、全く良くならないという様な場合は、鬱病の可能性も視野に入れて、対処して下さい。原因が鬱病という病気であることが分かれば、採れる手立ても随分変わってくると思います。これまで頑張って働いてきて、これから自由を謳歌出来るという世代になって、孤独を抱えたまま、自らで命を断つという悲しい結末だけは選ばせない様、出来る限り周囲で目を配り、サポートしていける社会を作っていかなくてはいけないのだと思います。

うつになると太るって本当?うつ太りの原因と対処法

うつ病を患っている人と聞くと、みなさんはどんな外見の人をイメージしますか?日々の生活の中で過大なストレスを受けて、睡眠はしっかりとれず、食欲も落ちて、不健康に痩せてしまっている人を何となく思い浮かべるのではないでしょうか?然しながら、一口にうつ病といっても人によって色んなタイプの症状の出方があり、もちろんうつ病によって不眠や食欲不振に悩まされ、痩せてしまう人もいますが、その逆に、一日の大半を寝てしまうという人や、うつ病になったことで大幅に体重が増加してしまうという人も決して少なくありません。このうつ病で太ってしまううつ太りの原因は、病気のせいで生活リズムや食生活が不健康で偏ったものになってしまったり、家に籠るばかりで極端に運動しなくなることが主たる原因です。その他にも、うつ病の薬の中には食欲を増進させる効果のあるものがありますので、薬の副作用で太ってしまうという人もいます。

では、このうつ太りを解消するには一体どうしたら良いのでしょうか?これは、やはり通常の肥満解消のダイエットと同じで、生活習慣を改める他にありません。まずは、人間本来の生活スタイルである朝起きて、夜寝るというリズムを取り戻した上で、昼間はなるべく外へ出て体を動かす様にしましょう。うつ病が引き起こされる原因の一つは脳内物質であるセロトニンの不足と考えられていますが、日光はこのセロトニンの分泌を促進する働きがあります。その為、日中の屋外での運動は、ダイエットのみならず、うつ病の治療にも効果的なのです。食事に関しても、ついつい買い置きが出来て手軽に食べられるインスタント食品やお菓子などで空腹を満たしてしまいがちですが、一日に一度は野菜や魚、肉などの生鮮食品を調理したものを取り入れて、新鮮な栄養を摂取出来る食生活を心掛ける様にしましょう。薬の副作用で太ってしまった場合は、医師に相談し、薬の変更を検討して下さい。

うつ病の治療だけでも苦しい中で、更にダイエットも併せて行うことは決して容易ではないと思います。然しながら、ダイエットを目的として健康的な生活を送ることや、体重という目に見える形で、努力をして得られる達成感は人を前向きにさせてくれ、結果的にうつ病の治療にもプラスの形で作用していきます。とは言っても、ダイエットがストレスとなり、治療の妨げになる様では元も子もありません。うつ病の治療には、まずは何と言っても心と体の休息が必要不可欠ですので、休息の中で、自分に無理のない範囲で始められる生活習慣がないか考えてみることが、この病気と付き合っていく上で大きな第一歩となるのですね。

彼女がうつ病になった!その時あなたはどうする?

ある日、あなたの彼女がうつ病であることが分かったら、あなたなら一体どうしますか?恋人として彼女を支えていく道を選びますか?それとも、別れを選びますか?現在の日本ではうつ病は10人~15人に1人がかかる身近な病気となっており、更に顕在化していないうつ病罹患者数を入れると、その数は大幅に増えると考えられています。また、女性のうつ病罹患者数は男性の2倍おり、女性は肉体的、且つ女性を取り巻く環境が原因となり、男性よりうつ病にかかりやすいことが分かっています。この様な現代社会で、これは明日あなたの身にも起こりうる問題なのです。

恋人がうつ病になってしまった時、大切なことは、あなたが採るべき正解な道などないということを理解することです。病気の彼女を見捨てるなど出来ないという責任感で付き合い続けたり、彼女への愛情があるのに、無理やり別れ選択をするなどといった自分の気持ちに反した選択は採らず、自分がどうしたいのかその気持ちに素直に従うことこそが正しい道なのかもしれません。

その上で、もしあなたがうつ病の彼女を支えていくことを選んだ場合、次のことを理解して付き合っていく必要があります。まず、恋人の存在は病気と戦っていく中で、大きな心の支えとなりますが、うつ病はれっきとした病気であり、医師ではないあなたが一緒にいるだけで治せるものではありません。病気を治すには、早期に病院に行き、適切な治療を受けることが必要不可欠です。もしも彼女が病院に行くことを躊躇っている様な状態であれば、自分も付き添うなどして、病院へ行く環境作りに協力してあげて下さい。また、うつ病の人には、頑張れといった励ましの言葉や、外に連れ出すなど何かをさせようとする行為は逆効果となる危険性があります。相手が必要としている時に黙って話を聞き、ありのままを受け止めてあげる存在でいてあげることが大切なのです。時に、うつ病を患う人達は、自分が心を許せる相手に、身勝手と思える理由で怒りや苛立ちの感情をぶつけてきます。その様な行為は、彼らの単なる甘えや我儘と思われがちですが、背景にはやはり病気が原因となっていること、彼ら自身も苦しんでいることを忘れず、見守ってあげて下さい。

うつ病は再発率も高い病気で、完治には、早くても3カ月、長い時には10年以上かかる場合もあります。この様に長い期間病気の人を支えていくには、支える側の人間にも相当な精神的労力が必要となります。兎にも角にも、彼女を支えているうちに、自分までがうつ病になってしまうことだけは無い様に、自分の心や体の健康にも十分に気をつけるようにして下さい。彼女の人生の前に、あなたはあなたの人生を生きる権利と責任があることを忘れずにいて下さい。